プロモーションデザイン開発

 

『Be SUGI』をデザインさせていただいたサカモトさんのプロモーションデザインを手がけました。
ホームページ/カタログのいずれもコンセプトは“一読性”。 最初のページから中に含まれている内容が把握でき、なおかつページを開いて読みたくなるよう、ビジュアルで上手に誘導をかける。そんなプロモーションデザインを目指しました。

サカモトさんの製品は、扱う材の種類が多い上に、杉による家具やプロダクトもかなりあるので情報を整理するのが大変でしたが、ホームページ、カタログともに製品のグループを象徴するメインビジュアルを大きく取り、画像のインデックスで個々の情報へと誘導していく構造をとりました。
一般的なカタログでは、製品シリーズ名がページタイトルになり、その後に個別の製品名が並び、その製品特徴がたくさんの文字で表記されていますが、このようなアプローチでは、読む人はページを開いた瞬間に「読む気」が失せ、結果、伝えたい情報が伝わらない。せっかくたくさんの情報を載せているのに読んでもらえないということになりがちです。

サカモトさんのカタログでは、多くの情報を書き連ねても、呼んでもらえないならば最初から何も書いていない方が逆に興味を持ってもらえると考えました。
そこで、紙面の大半をメインビジュアルとし、製品の情報は画像で表し、付帯的な情報はキャプションや画像の中の短文にまとめることで本文の文字数を極力減らして、ビジュアル全体で伝えるような紙面としました。
このようにすることにより、製品個別の情報は文字の大きさや文字数が制限されることになりますが、それを本当に知りたいと思う人は、ホームページを開いて、製品の個別ページに情報を取りに行けば良いという考え方で、読者の“知りたい”という気持ちの動きを予測しながら、ビジュアルでアフォードするという動的なレイアウトにしています。

画像というものは本当にたくさんの情報を内包していて、読者の“知りたい”と思うような情報は、画像を見た瞬間にほぼ把握している。あとは補足的、詳細的な情報を文章にしてあげることで伝えるべきことは完結できているように思われます。
よく出来たホームページ(やはり外国のもが多いです)を見ていると、画像だけで伝えたいことが完結している事がわかります。
逆を言えば日本のホームページが、いかに画像と文章の両面で同じことを伝えているか、いかにむだな修飾語が多いかということを思い知らされます。そしてこれは我々デザイナーが“ビジュアルベース”でものごとを考え、エンジニアは“データベース”で物事を考えるという、ものごとの把握の仕方、“考える”という行為へのアプローチの違いのように思われます。

これは英語の文章、会話にもよく現れていて、英語は“結論”、あるいは“サマリー”が最初に来て、その後に詳細が語られます。
これは19世紀に世界を制覇した英国の遺産だと思いますが、日本人のように話を雰囲気や前説から話を始めても、それを理解できない外国人には「この人は内について話そうとしているのか」という疑問が先に立ち、話への関心がなかなか起きませんが、最初に結論を述べれば、聴く側には受け入れる準備ができ、それによって「聞くべきか」「自分にとって役に立つ情報か」という判断ができるので関心がたかまりやすい。つまり英語のこの話の進め方は、結論を先に言った方が、相手が関心を持って聞いてくれる、より深く的確に情報を伝えることができるという、世界制覇の経験から学習したものだと思っています。

株式会社 サカモト:http://woodymind.com/