86 Homage

 

2009年の東京モーターショーで発表されたコンセプトモデルFT-86は、“ハチロク”と名前は付いてはいるものの、そのスタイリングは私の知っている86ではなくTOYOTA2000GTを彷彿させる”スポーツカー”でした。
AE86というのは、セダンベースの2ドアクーペであるところが車好きの心をくすぐる大きな要因であると思っている私には、はじめからスポーツカーとして設計されたFT-86には「なにか違うよな」という印象がありました。そんなころ入院していた友人をお見舞いに行く機会があり、友人とあれこれ話しをしている中でFT-86が話題となり、その時彼の言った「僕もやっぱり藤原拓海の86が好きだな。」という一言がきっかけとなって、この“ハチロク”のデザインが始まりました。

ただ、明確にこうあるべきという考えがあって始めたわけではなく、ボディサイドはこんな感じ、リアエンドはこんな感じ、といったボディエレメントのモデリングは出来上がったのですがそれらをスムーズに(ハイライトが綺麗に入るように)接続するテクニックが追いつかず、結果的に全体をひとつのまとまりとしてデザインすることなく終わっています。