植樹祭ベンチデザイン
平成25年に開催された「第64回全国植樹祭とっとり2013」のメイン会場に設置する木製ベンチの製造業者を決めるためのデザインコンペが開かれ、県内の家具屋さんからの依頼でデザインしました。
県産木材を使用した3人がけのベンチというテーマで、ひのき材を使ったもの、J-Panelという集成材を使ったもの、
LVLという間伐材を貼りあわせて積層した合板を使ったものの3つの課題がありコンペ参加業者がそれぞれの課題に対して材質の使い方やスタイリングを競うというものでした。
ひのきは、神社仏閣にも広く使われており、天皇陛下がお越しになられることから、正月の鏡餅を載せる三方のような形にしてみました。J-Panelは、パネル表面の表情を活かして面のように使い、座面と脚が折り紙のように内側に向かってスラントしているスタイルが特徴です。
最後のLVLはコの字に切り出したLVLを6枚重ねにした特徴的な外観です。木口を座面に使ったのにはスタイリング以外にも理由があって、通常の間伐材(主に杉やひのき)では木口を水濡れのある場所に使うとそこから腐れが広がりやがて全体が朽ちてしまうのですが、LVLは接着剤で固めてあるので木口を雨水にさらされる座面に使っても大丈夫という計算がありました。
コンペの結果、LVLが一位採用となり植樹祭本番に向けて2,000本くらい制作されたと思います。
植樹祭の後は県西部の市町村に提供され、小中学校や公園、一般道路の休憩所などのストリートファニチャーとなっています。