Street-Fighter 86

 

2012年にデザインした藤原拓海の“ハチロク”ですが、少し経って見返してみるとシンプルでクリーンな外観は良いのですが、個性的な点といえばリアフェンダーの盛り上がりくらいなもので、ちょっとオリジナリティの感じられないところが気になっていました。
あれから1年、もう一度、AE86とはどのような車であったか、藤原拓海の“ハチロク”とはどのような車であるべきかについて問い直し、あらためて自分の中の“あるべきハチロクのイメージ”を熟考、名前も新たに『Street-Fighter 86』と定めてデザインをスタートさせました。

『Street-Fighter 86』という名前は、私の大好きなイタリアのバイクメーカーDUCATIのハイエンドモデル「STREETFIGHTER S」によるものです。
DUCATIのSTREET-FIGHTER Sは、レースで活躍するスーパーバイク1098をベースに、ストリートモデルとして最小限のカバーパーツを取り付けただけの、メカ丸出しの無骨なスタイルがとてつもなくかっこいいバイクです。しかもレプリカからフェアリングを取り去っただけでなく、エンジンやミッション、それらを収めるフームまでが、すべて見せることを前提に設計されていて、これらのパーツ群の凝縮感と相まって“走る機械”といった物々しいイメージを醸し出しています。
このSTREETFIGHTER Sのイメージと、誰よりも速く秋名峠を駆け抜ける藤原拓海のイメージを重ね、“Street-Fighter”というデザインコンセプトを固めていきました。

思い切って後退させたキャビンとフロントからリアエンドまで一直線に伸びるウエッジの強いウエストライン、張り出した肩から下に向かって窄まっていくボディサイド、オーバーフェンダーのように張り出したホイールフレア、ブラックアウトされたボディアンダーと、エレメントのすべてを“Street-Fighter”のイメージでまとめることで、サーキットではなくストリートを舞台とした戦闘的なスタイリングを表現しています。

はたして藤原拓海は、この“ハチロク”を気に入ってくれるでしょうか。